うさぎといつものように遊んでいるとき、ふと足の裏を見ると毛が薄くなり、赤くなっていることに気づきました。赤くなっているところは、少し腫れているようにも見えます。
本人は気にする様子もなく、相変わらずピョンピョンと跳ねたり、走り回ったりしていますが飼い主としては心配です。
これはうさぎに多い病気の一つである「ソアホック」だと思われます。一体どんな病気なのか、原因や症状、予防や対策について解説しています。
「ソアホック」とは
「ソアホック」とは足の裏の毛が抜け、その部分の皮膚が赤く炎症を起こし潰瘍ができてしまう病気のことです。日本では「足底潰瘍」や「足底皮膚炎」「飛節びらん」とも呼ばれます。
初期症状は足の裏に小さな脱毛と発疹ができます。その後、細菌が感染し潰瘍が起こり、膿瘍へと進行します。膿瘍ができると痛みのため足をひきずるなどの動作がみられ、さらにひどくなると食欲低下や体重の減少がみられます。
ソアホックの原因
うさぎには犬猫のように、足の裏に肉球がありません。そのため足裏の被毛がクッションの代わりになっていますが、何らかの原因で足の裏に負担がかかり、毛が抜け炎症を起こしてしまいます。
ソアホックの原因は多岐にわたり、主に以下のようなことが挙げられます。
① 硬い床材
② 運動不足
③ 床が湿っていて不衛生
④ 肥満による負荷
⑤ スタンピングの頻度が多い
⑥ 爪が伸びすぎている
⑦ 生まれつき足裏の被毛が薄い
本来、野生のうさぎはデコボコした土の上で生活しており、足の裏へかかる負担も一定ではありませんが、ペットとして飼育されているうさぎは、フローリングやゲージ内の平坦で硬い床材の上で一日の大半を過ごしています。当然うさぎの足の裏への負担は大きくなり、「ソアホック」の原因の一つになります。
また生まれつき足裏の被毛が薄い個体もいるため、床材以外の要因もソアホックにつながると考えられています。
ソアホックの予防と対策
ソアホックの予防と対策として、日頃から以下のことに気をつけましょう。
クッション性の高い床材を選ぶ
うさぎの足裏に負担のかからない床材の選択は、ソアホック予防・対策において非常に重要なポイントです。
今では当たり前となったフローリングは、うさぎにとって硬く滑りやすいため、カーペットなどを敷いて足への負担を軽減してあげましょう。カーペットは毛足が短いものが良く、ジョイントカーペットのようなものを敷いてあげるといいでしょう。
またケージ内の床材は、金網やプラスチック、すのこがほとんどだと思いますが、うさぎは一日の大半をゲージ内で過ごすため、床材の上に牧草を敷き詰めたり、マイクロファイバーモールなどのマットを敷いて少しでも負担を軽減してあげてください。
肥満に気をつける
足は体重を支える重要な部分です。体重が増えすぎることは、その分足への負担も大きくなります。
ペレットやおやつの与えすぎに注意しましょう。またうさぎが高齢に近づくにつれ、じっとしていることが多くなるため、へやんぽなど運動をさせるようにしましょう。
定期健診の際に病院でチェックしてもらい、体重が増えすぎなようであれば食事内容を見直し、適切な体重を維持するように心がけてください。
うさぎの爪を切る
うさぎは定期的(1~2ヶ月毎)に爪切りが必要です。爪が伸びすぎているとかかと周辺に負担がかかってしまい、その部分だけ毛が抜けソアホックの原因となります。
そのため日頃から爪の伸び具合をチェックしておきましょう。飼い主さんご自身でうさぎの爪切りがうまくできないようであれば、病院で1回500円ほどで爪切りをしてくれるので、一度近くの動物病院に聞いてみましょう。
余計なストレスを与えないようにする
うさぎはストレスを感じると「足ダン(スタンピング)」行為をします。少しであればなんら問題はないのですが、頻度が多くなると足への負担も大きくなり、ソアホックの原因となります。
そのため大きな音や環境の変化に配慮し、なるべくストレスを与えいない環境を作ってあげることが重要です。
ケージ内をこまめに掃除する
トイレは毎日掃除し排泄物でうさぎの足の裏が汚れないように、日頃からこまめにケージ内のお手入れを心がけましょう。また不衛生な環境はソアホックだけでなく、うさぎの健康に悪影響を及ぼすことがありますので注意が必要です。
ソアホックの治療
病気になってしまった場合は、まず早急に飼育環境の改善を行いましょう。治療は患部への消毒、軟膏の塗布、抗生剤の投与を行います。患部を保護するために包帯を巻いたりすることもあります。治療は長期にわたることが多いため、根気よく治療と看護をしてあげましょう。
またいくら薬による治療を行っても、ソアホックの原因を改善しなければ病気の長期化、再発に繋がります。
まとめ
うさぎに多い病気の一つ「ソアホック」についてご紹介しました。ソアホックは一度進行してしまうとなかなか完治しにくい足の裏の病気です。また再発しやすい病気のため、一度治ったからと安心するのではなく予防や対策を日頃から行い、うさぎの足に負担がかかりにくい環境を継続してあげましょう。
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